読んだ理由
現場でABMへ舵取りが進んできている。
Salesforceへの落とし込みも求められる中でまずはABMの基礎と本質を知ろうと思った。
ABMを詳細に解説している書籍は少ない印象。
少し前の書籍だが今に通じる考えも多いのではと思い購入。(実際読んでみてもそう感じた)
メモ
Account Based Marketingの定義(本書内)
全社の顧客情報を統合し、マーケティングと営業の連携によって、定義されたターゲットアカウントからの売り上げ最大化を目指す戦略的マーケティング
第一章
法人だけに注目するということでない。
あくまでターゲットアカウントに所属する個人にどうアプローチするか。
営業が追いかけたい企業と部署だけにフォーカスしてマーケティング。
営業がフォローしたい案件だけをスコアリングする。
養殖している生簀(名寄せや営業対象外を排除したデータ)から捕りたい魚だけを銛でつくイメージ。
この生簀(デマンドセンター)がないとABMは実現できない。
日本企業あるある
マーケティングと営業
マーケティング創出した案件(MQL)を営業がSALとしてフォローしてくれない。
フォローしてくれたかどうかのフィードバックもない。
日本企業の特徴
製品や技術ごとに事業部がある。
その製品を販売する営業や販売代理店も事業部内にある。
事業部間の情報連携は薄く、事業部が違えばもはや別会社という見方もできる。
意思決定はボトムアップ(欧米はトップダウン)。
課長クラスが最終購入価格や納期、支払い条件、各ステークホルダーと調整したうえで、稟議書を起案し、部長以上の承認を集める。
つまりターゲットは課長クラス。
課長クラスは何人もいる。事業部単位でもいる。
複数ターゲットをせめる。
集団としても興味関心をウォッチし、その変化を測定(面でとらえる)する。
部下の行動から上司の課題、関心を知ることができ、その集団の行動から企業が向かう方向性が見える。
MAとSFAの関係
- MA:ガソリン
- SFA:車
MAは、案件を創出し、営業に安定供給するためのもの。
MAが機能しないと営業案件をパイプラインで管理し、受注率を高めようとするSFAも機能しない。
デマンドセンター
ABMの最難関がデータマネジメント。
様々なビジネスシーンやチャネルで収集したフォーマットの異なるデータを統合し、企業と個人を結び付け、営業対象外を排除し、企業情報に属性情報を付与し、さらにターゲットアカウントにフラグを付ける。
データマネジメントの8つのポイント。
- ファイルの統合
- 個人データの名寄せ
- 企業データの名寄せ
- 企業と個人の紐づけ
- 営業対象外、競合のフラグ処理(論理削除)
- 企業の属性情報付与
- 製品ごとのターゲットアカウントのフラグ
- 法令要件の整備
ターゲットの定義方法
まずは市場の特定。
- S:セグメンテーション(市場を細分化する)
- T:ターゲティング(細分化した市場の中で最適な市場を選択する)
- P:ポジショニング(選択した市場の中の企業や人に自らの立ち位置を説明・宣言する)
次にターゲットアカウント(企業)の特定。
業種や規模ではなくできるだけ企業名で洗い出す。
次にターゲットデパートメント(部署)。
購買にかかわる部署を洗い出す。
最後にターゲットパーソン(個人)。
役職や部署の中で何を担当し、どんな問題解決を担当しているのかなど。
個人名ではない。
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