Salesforceを用いたデータ管理やビジネスプロセスの最適化に取り組む際に、項目を必須にするかどうかを判断する瞬間はアドミニストレータの方ならたくさんあると思います。
ただ、この判断ってなかなか難しかったリするんですよね。
入力してほしいからというだけで必須にすると、とりあえずその場しのぎのいい加減なデータが入力されたり、後々のオペレーションに支障をきたすこともあります。
項目を必須にすることは、ユーザー体験やデータ品質に影響を与えるので、慎重に検討する必要があるということですね。
ということで、今回は、項目を必須にするべき場合とそうでない場合について、例を交えながら主観でまとめてみました。
この記事の内容は個人の見解です。
へえ、そういう考えがあるんだというくらいに受け取っていただけるとうれしいです。
必須化すべき場合
まずは、項目を必須化するべき場合についてです。
私が思い浮かぶのはこの3つくらいでした。
- 後続の業務で手戻りが発生する場合
- 法的要件や規制への遵守が必要な場合
- レポートや分析に必要なデータを確保する場合
1. 後続の業務で手戻りが発生する場合
項目を必須化する最も主要なケースは「 後続の業務で手戻りが発生する場合」だと考えています。
この情報がないと後々の業務に支障がでる、ネクストアクションへ進めないといった場合、その項目は必須化するに値します。
例えば、営業担当が見積もりを作成する場合を考えてみましょう。
見積もりには顧客が選択した製品やサービスに関する情報(数量、仕様、オプションなど)を記載する必要がありますが、これらの情報がSalesforce上に登録されていないと見積もり作成ができませんよね。
本来であれば見積もり作成のフェーズまでに情報を取得しておくべきですが、それができていない場合、営業担当はそれらの情報を確認するために顧客と再度連絡を取る必要があります。
このような手戻りを防ぐために項目の必須化は重要な役割を果たしてくれます。
2. 法的要件や規制への遵守が必要な場合
これはそのままの意味ですね。
特定の情報を収集することが法的に義務付けられている場合、それらの項目を必須にしておきましょうってことです。
3. レポートや分析に必要なデータを確保する場合
特定のデータが後でレポートやダッシュボードでの集計・分析時に重要な指標となりうる場合、そのデータを必須にしてもよさそうですね。
ただ、いいかげんなデータ入力がされないようにデータ品質を一定担保する施策は必要かなとも思います。
これを入力しないと次のアクションに移れないし、とりあえず適当にうめておくか、となってしまっては元も子もないですからね。
必須化すべきでない場合
続いて、必須化すべきでない場合についてです。
- 必須化の理由がデータを入力してほしいからという場合
- 入力されるデータが必ずしも利用されない場合
必須化の理由がデータを入力してほしいからという場合
現場がデータをなかなか入力してくれない、だから必須化しよう!
気持ちはわからなくはないですが、このような理由による項目必須化はよろしくないと考えています。
そもそもなぜ入力してくれないかの原因に着目していない時点で思考停止しちゃってますよね。
まずは、入力されない原因を突き止め、オペレーションの見直しを図るのが先ではないでしょうか。
ただ入力してほしいがために項目を必須化にしても現場のオペレーション整備がなされていないので現場の負担は増えるだけです。
入力されるデータが必ずしも利用されない場合
前述したように、項目を必須化するのは後続の業務フローでその項目の情報が必要なる場合です。
後の業務で使用されない項目を必須化する意味はないと考えています。
あくまでも今後のアクションで利用するからというのが必須項目化する基準です。
おわりに
項目の必須化はワンクリックで設定できますし、現場からの要望もしばしば挙がってくるのでわりと脳死で対応しがちです。
しかし、ビジネスプロセスやデータ管理の要件を踏まえて検討しないとユーザエクスペリエンスに影響します。
データの有効活用とユーザー満足度の両面を考慮し、適切な項目の必須化を推進できるようになりたいものです。
ちなみに必須項目設定の方法について書いた記事もありますので設定のタイミングがあれば参考にしてみてください。
おわりです。
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