Salesforceのレポートを作成する際、「検索条件」と「クロス条件」のどちらを使うかによって、結果が大きく変わります。
今回は、「商談が関連する取引先」レポートタイプ(※カスタムレポートタイプ)を使い、両者の違いを、分かりやすく解説します。
この記事の結論
- 「特定の条件に合致するデータのみを表示したい」場合 → 検索条件を使用
- 「特定の条件に合致するデータを持つレコードを表示しつつ、関連データも含めて分析したい」場合 → クロス条件を使用
目次
レポート設定の前提
まず、今回のレポートの前提として「商談が関連する取引先」カスタムレポートタイプを作成して使用します。

比較する2つのレポート
- 検索条件で「商談のフェーズ = 成約」を指定
- クロス条件で「商談のフェーズ = 成約」を指定
「検索条件」で「商談のフェーズ = Closed Won」を指定した場合
「検索条件」で「商談のフェーズ = Closed Won」を指定した場合、レポートに表示されるのはClosed Wonの商談を持つ取引先のみになり、Closed Won以外の商談は一切表示されません。


特徴
- Closed Won商談を1件でも持つ取引先はすべて表示されます。
- さらに、Closed Won商談以外の商談は表示されません。
- 「Closed Wonした商談だけを分析したい」ときに適した設定です。
「クロス条件」で「商談のフェーズ = Closed Won」を指定した場合
この場合、取引先のフィルタリングは「Closed Wonの商談を持つかどうか」だけが条件になり、Closed Wonの商談が紐づく取引先のすべての商談が表示されます。


特徴
- Closed Won商談を1件でも持つ取引先はすべて表示されます。
- ただし、Closed Won以外の商談(交渉中・失注など)も表示されるので、取引先全体の商談状況を把握しやすくなります。
- 「Closed Won商談を持つ取引先の全体的な商談状況を分析したい」ときに便利です。
「検索条件」と「クロス条件」の違いまとめ
- 「特定の条件に合致するデータのみを表示したい」場合 → 検索条件を使用
- 「特定の条件に合致するデータを持つレコードを表示しつつ、関連データも含めて分析したい」場合 → クロス条件を使用
例えば、売上レポートを作成する際に「どの取引先でどの商談が成約したか」だけを知りたいなら検索条件が適しています。
一方で、「成約後の取引先がどんな商談を抱えているのか」まで確認したい場合はクロス条件が役立ちます。
クロス条件を使うと、成約した取引先のその他の商談の進捗状況も確認できるので、成約後の商談の流れを分析するのにピッタリです。
目的に合わせて「検索条件」と「クロス条件」をうまく使い分けるのが大事ですね。
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