Salesforceには「Chatterグループ」と「公開グループ」という2つのグルーピングの概念があり、それぞれ異なる目的と機能を持っています。
これらの特徴、ユースケース、違いについて本記事では説明します。
「Chatterグループ」と「公開グループ」の違い
まず初めに結論からです。
特徴 | Chatterグループ | 公開グループ |
---|---|---|
主な目的 | コラボレーションと情報共有 | データアクセスと権限管理 |
機能 | 投稿、ファイル共有、ディスカッション | レコード共有、レポート・ダッシュボード共有、キュー、承認プロセスで使用可能 |
ユーザー範囲 | 内部ユーザー(外部グループで外部ユーザー可) | 内部ユーザーのみ |
アクセスレベル | 公開、非公開、リストに記載しないなど柔軟に設定可能 | 組織の役職やロールに関係なく柔軟にグループ化 |
主なユースケース | プロジェクトチームのコラボレーション、部門間のコミュニケーション | 共有ルールの設定、レポート・ダッシュボードの共有 |
設定場所 | アプリケーションランチャー > グループ | Salesforce設定の「公開グループ」セクション |
Chatterグループ
Chatterグループは、主にコラボレーションや情報共有を目的としてSalesforce内で使用されるグループ機能です。
Chatter機能を利用して、チーム内でのコミュニケーションを円滑にするために使われます。
特徴
- Chatter機能内で利用され、投稿、ファイル共有、ディスカッションが可能。
- 外部グループを作成することで外部ユーザー(取引先や顧客)も含めることができるが、通常のChatterグループは内部ユーザーのみ。
- アクセスレベル(公開、非公開、リストに記載しないなど)を柔軟に設定可能。
ユースケースとしては以下のような場面が想定されます。
- プロジェクトチームのコラボレーション
- プロジェクトに関わるメンバー同士が情報共有やディスカッションを行う場として利用。
- 部門間のコミュニケーション
- 営業部門や製品開発部門など、異なる部門間の情報交換に活用。
- 顧客サポートコミュニティ
- Experience Cloudと連携して外部ユーザーを含めたサポートコミュニティを作成し、顧客とのコミュニケーションを補助的に促進。
設定場所
Chatterグループは「アプリケーションランチャー > グループ」からアクセス・設定できます。
ここで、新しいグループを作成したり、既存のグループを管理することができます。
公開グループ
公開グループは、主にデータアクセスや権限管理のために使用されるグルーピング機能です。
Salesforceユーザーをまとめて管理し、データや権限を柔軟に共有するために利用されます。
特徴
- Salesforceユーザーをグルーピングし、レコードやレポート、ダッシュボードの共有を簡単に行うためのツール。
- 階層構造がなく、組織の役職やロールに関係なくユーザーを柔軟にグループ化可能。
- 外部ユーザーは含められない。
- キューや承認プロセス、共有ルールの適用先として利用でき、権限管理を効率化。
公開グループのユースケースとしては以下のような場面が想定されます。
- 共有ルールの設定
- 特定のレコードタイプに対するアクセス権を、部門横断的なグループにまとめて付与。
- レポート・ダッシュボードの共有
- 経営分析レポートや重要なダッシュボードを、役員や部門長にまとめて提供。
- 手動共有の効率化
- 一時的なプロジェクトチームに対して、商談やケースなどの特定レコードへのアクセス権を簡単に付与。
設定場所
Salesforce設定の「公開グループ」セクションから新規作成・設定します。
まとめ
Chatterグループは主にコラボレーションツールとして機能し、社内外の情報共有に役立ちます。
一方、公開グループは組織の役職や部門に縛られずにデータアクセスや権限管理を効率化するためのツールです。
それぞれのグループは目的に応じて使い分けることで、Salesforce内でのチームワークやデータ管理をスムーズに行うことができます。
終わりです。
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